花苗として売られていても、いずれ木質化して大きな株になるものの代表選手に
ローズマリーやラベンダー、チェリーセージ、ユリオプスデージーなどがありますが、
大株なったそれらの姿は宿根草というよりはもはや立派な低木です。
でも、放っておくと下の方が枯れ上がってしまって姿が乱れたり
花が少ししか咲かないなんてことになりがちです。
良い状態でキープできれば庭の中でその季節を彩る主役級の役割をするのに
乱れた姿になってしまうととたんにもてあましてしまい、
可哀そうなことになっている株を見かけることもよくあります。
私はこんなふうに、ちょっと大きくなりすぎて樹形が乱れたり、下葉が枯れあがって見た目がちょっと微妙な感じになってしまった株をお手入れするのが結構好きなんです。
ローズマリーの剪定については以前にご紹介しましたが、
最近ではラベンダーのお手入れも行いました。
共通して言えるのは、枯葉と枯れ枝を丁寧に取り除くこと。
常緑のものは必ず緑の葉を残して剪定すること。
以前ご紹介したユリオプスデージーは下の方にあまり葉がなかったので
できるだけ下の健康な葉が出ているところを選んで剪定しておきました。
これは5月の剪定後の様子↓
株に体力があって健康ならば
春から夏にかけて剪定した個所よりも下の方からたくさんの芽がでてきます。
剪定した株もいまではこんなにモサモサに復活しています。
高さや幅を抑えたい場合は、その新しい芽がたくさん育ってきたタイミングで、
さらに下の方で切り戻すということを行います。
この枝の場合は、元気な芽が育っているので切っても大丈夫そう。
赤線のところをカットすれば、さらに幅が抑えられます。
一度に強い剪定をした株はやはりダメージが心配なので、
その後の微調整の剪定をする場合は、ちょっとずつ様子を見ながらやるとうまくいく確率が高い気がしています。
種類にもよりますが、真夏や真冬はダメージを受けることがあるので慎重に・・・。
年間通してこまめに見守ることができる場合はこういったお手入れが可能です。
季節やどんな植物なのかにもよりますが、思いきったお手入れをした後には
2週後か・・・せめてひと月後には様子を見たいですね。
でも実際の作業ではそうできない場合もあるので、
「こうやったらいいかも」と考えていることよりも、若干抑えめのお手入れになることもあります。
そしてその場合は、「この後はこうやって手入れをすすめれば
また綺麗な形を取り戻すことができるかもしれませんよ」
と、お客様にお伝えすることも大切な仕事のひとつ。
強い剪定をするとなるともちろんリスクもあるので、その点についてもご説明しなければなりません。
なかなか難しい場合もありますが、
弱っているものや形の乱れたものを再生させるのもとても楽しい作業なので、
種をまいたものが発芽した時の喜びと同様に、
樹木や植物が元気を取り戻した時の喜びも伝えていきたいなあと思っています。